TOP > 耐摩耗
耐摩耗は、「たいまもう」と読みます。
摩耗に耐える性質を意味しており、相対して運動する金属面の引っかきや、金属的粘着など損耗する現象に耐えるものです。
機械には、歯車などのように2つの部品が連動して動くものが多く、摩耗によって傷付き損傷してしまったり、精度が落ちてしまったりするので、摩擦特性に優れる部品や工具を使用します。
あらゆる機械には歯車や軸受けなどのように二つの部品が接触しながら運動する物が多く、材料の性質などによりますが、スリこすれることによって精度が低下したり、破壊したりします。
こうした摩耗が発生する材質の表面に強度や耐久性に優れたものをコーディングするなどをして磨耗を防ぐことを耐摩耗と言います。
摩擦特性に優れるコーティングを金属面に施すことで、耐久性を強めることができます。
耐摩耗は、チェーンやナイフ、ゴムホース、電線、スクリュ、ギアや、ベアリング部品、自動車用摺動パーツなどほとんどの部品に加工されています。
しかし、いくら耐摩耗とはいえ寿命がありますので、定期的に点検し取り替える必要があります。
点検をしなかったことで、機械が止まったり大きな事故につながったりしますので、ほとんどの企業できちんとした点検が行われています。
なぜなら、一度企業の評判が落ちると取り返すのにとても大変だからです。
裁判などに発展したら、企業生命のほうが危ないかもしれません。
切削工具の寿命を考えるとき、おのずと定期的な研磨を考えるのではないでしょうか。
しかし、この定期的な研磨には、常に同じ切れ味で研磨をするという難しさがあります。簡単なのは、工具を常に更新することではないでしょうか。
ですが、当たり前にコストがかかりすぎます。
耐摩耗性を考えるとき、工具の回転数、切削スピード、潤滑剤、工作物の材質等々、いくつかの条件が重なり合うことでしょう。
摩耗もひとつの条件と考えていいのではないでしょうか。その上で、最高の組み合わせを見つけていくのが技術です。
もちろん、マニュアルだけを頼っても決して良い結果は得られないでしょう。むしろ、失敗の繰り返しの中で最良の結果が得られるのではないでしょうか。
不景気が続き、製造業ではコストが削減される中で品質はよりよいものを追求しなければ生き残ることが難しくなってきています。
耐久性に優れているものは多いが、中でも耐摩耗性の機能を持つものは機器の高圧化や高速化にも耐えることができため、高い評価を得ています。
各部品への耐摩耗技術施工をすることで、寿命を延ばすこともでき、総合的にみてもコスト削減につながるのではないでしょうか。
オーディオ回路では多数の抵抗器が使われます。
音量を調整するボリュームが一番目立つものですが、もちろんそれだけではありません。
回路内部に使われる抵抗器としては、昔は抵抗体に炭素を用いたカーボン抵抗が主に使われていました。
これは構造が単純であり、また安価に製造できるものであるため、現在も電子回路には多く用いられています。
しかし、より高音質を求める場合には、カーボン抵抗の雑音を発生してしまう性質がネックとなります。
このため現在では金属箔を使った小型の抵抗を使ったものが主流になっています。
より特性の良い抵抗器を使ったオーディオ機器は格段に高価になりますが、愛好家の間では良く利用されているようです。
産業廃棄物を破砕する破砕機の種類は用途によって違います。破砕する物によって刃を替えることにより、耐磨耗性が強くなります。
岩石やコンクリートなど硬い物を破砕する破砕機には、耐摩耗破砕機が使われます。
硬い物を破砕する破砕機は、刃の強度や構造も違います。硬い物は刃で切るというよりは、圧力をかけて押しつぶすという感じです。
柔らかい物は簡単に破砕できるために、刃の耐摩耗が高くなりますので長寿命です。
目的によって使用する破砕機や刃の種類を選ぶことが必用です。選ぶ時には耐摩耗性を考えて選びます。耐摩耗破砕機の能力は技術の向上で上がっています。
耐摩耗を評価するためには摩耗試験が行われます。
摩耗試験は、一対の試験片を一定の荷重と速度のもとで摩擦し、その際の摩擦力を計測すると同時に摩擦量を測定することによって耐摩耗の評価を行います。
摩耗試験では、棒や球、円筒、平板などを組み合わせた複数の試験方法があり、それぞれに特徴があるため、耐摩耗を評価したい物の種類や目的などに合わせて適切な試験方法を選択する必要があります。
摩耗試験の方法としては、ピンオンディスク式やボールオンディスク式、スラストシリンダー式、ブロックオンリング式、四球式、ピン・ブロック式などがあります。